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すが内科クリニック

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コラム

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ピロリ菌をご存知ですか?

はじめに

ピロリ菌をご存知ですか?

胃潰瘍、慢性胃炎、胃がんなど胃の病気は日本人によく見られますが、これらの胃の病気の大半はピロリ菌という細菌によって起こっています。

そしてこの細菌の治療によって、胃潰瘍は完全に治り、胃がんの予防になる事が分かってきました。そこで、ここではピロリ菌のお話しをしようと思います。
1. ピロリ菌とは何?

ヘリコバクター・ピロリと言う細菌で、胃粘膜に住み、毒素によって胃粘膜を障害します。
日本では65才以上の人の約80%に存在し、50才台は約40%、40才以下は5~15%程度と言われています。なぜ年齢によってこんなに差があるかというと、日本の衛生環境が悪かった50~60年前に子供だった人の多くが感染したためと思われ、現在のように衛生が良くなった環境ではその感染は極端に少なくなってきています。

2. ピロリ菌のいない胃には胃がんはできない

ピロリ菌に感染した胃には炎症が起こり、ほぼ100%の人が慢性胃炎(萎縮性胃炎)になり、徐々に進行します。また3~4%の人に胃潰瘍や十二指腸潰瘍を認め、そして約0.4%に胃がんの発生を認めます。

私が聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院で110人の胃がんの方を調べたところ104人(94.5%)がピロリ菌陽性で、特に50才以下の若い胃がん患者様では14人中14人(100%)が陽性でした。つまりピロリ菌の存在は胃がん発生に強く関係しており、逆にいえば、ピロリ菌陰性の方はまず胃がんにはならないと考えて良いでしょう。

3. ピロリ菌の検査は内視鏡を受けなくてもできる

現在当院では血清抗体法と呼気テストを行っています。
血清抗体法は採血で分かるので簡単ですが、感度では呼気テストにやや劣ります。
呼気テストは試験薬を飲んで20分後に風船をふくらませて呼気を採取するだけで簡単に行えますが、朝食を抜いてきていただかなくては検査ができません。
いずれも内視鏡検査を受けなくても可能です。

4. 検査結果が陽性だったらどうするの?

ピロリ菌陰性の場合は、胃の病気になる可能性は低く、胃に関しては健診目的の内視鏡検査は受ける必要はありません。
しかしピロリ菌陽性の場合は、症状がなくても胃の病気を認める場合があります。
ぜひ内視鏡検査を受けるようにしてください。そして除菌治療をするかどうかを考慮してください。

5. ピロリ菌の治療はどうするの?

ピロリ菌の治療は除菌と言って飲み薬の治療です。 2種類の抗生物質と1種類の胃酸を抑える薬を1週間内服しますが、薬の量がやや多いので、 副作用などについてよく説明を受けられてから治療するようにしてください。

6. 慢性胃炎だけでも除菌治療を受けるべきなの?

胃潰瘍、十二指腸潰瘍の方はぜひ除菌してください。除菌治療によって再発が予防され、症状が改善します。過形成性ポリープという赤いポリープのある方も除菌によって無くなったり、縮小しますので、除菌を考えてください。

慢性胃炎だけの方は全ての方が除菌治療したほうが良いというわけではありません。
若い方(60才以下)で胃に症状のある方は除菌された方が良いでしょう。
症状がなくても胃がんの予防のために除菌を考えられても良いと思います。
高齢の方は除菌によってかえって胸やけなどの症状が増える事もあるので、主治医の先生とよく相談されてから考えた方が良いと思います。

7. 内視鏡検査ってつらいの?

胃の内視鏡検査は苦しくて大変だというイメージがあるでしょうが、今は簡単に苦痛なく受けられるようになっています。どうしても苦手な方や不安な方は安定剤を注射して、楽に受けられる方法もありますので、相談してみてください。

胃がん治療の基本は早期発見、早期治療です。小さなうちならお腹を開けずに内視鏡を使った治療も可能です。ぜひ定期的に検査を受けるようにしてください。

8. さいごに

いずれはピロリ菌に感染している人が少なくなり、また除菌治療が一般的になって胃がんは減っていくと思われます。
それまでの間は皆さんにピロリ菌の事を知ってもらい、積極的に検査・治療していくのが私たち消化器内科医の使命だと思っています。
胃の症状のある方はもちろん、症状が無くても胃の病気の心配がある方はぜひピロリ菌検査を受けてみてください。

内視鏡のすすめ(胃カメラ・大腸カメラ)

胃や大腸の内視鏡に関して、日本が世界一であることはご存知ですか?

内視鏡の機器や技術が優れているだけでなく、保健診療が充実しているため、安い医療費で検査を受けることが出来るからです。そのため、健診目的や比較的軽い症状でも内視鏡検査を受ける方が多くなり、他の国では見つかる事のないような小さな胃がんや大腸がんが発見されます。そしてがんであっても粘膜に限局している小さなものであれば、内視鏡で切除するだけで完全に治すことが出来ます。

しかし、内視鏡は苦しそうだと思われがちで、敬遠されている方も多いのではないでしょうか。実際には、内視鏡検査は苦しいものではありません。
病気が見つかってより精密に検査を行うためには、少し大変な検査もいたしかたないところですが、病気を見つけるための検査が苦しいものであってはいけません。
内視鏡を楽に受けるためには、経験を積んだ内視鏡専門医のいる施設を選ぶこと。また、安定剤を注射して楽に受けられる様にしている施設も増えています。

40才を過ぎたら、がんのリスクが増えてきます。
気軽に内視鏡検査を受けてみませんか。

胃炎って何?

胃のバリウム検査や内視鏡検査で、‘胃炎ですね’と言われた事のある方も多いのではないでしょうか。胃炎という病名はやや曖昧なところがあって、何となく胃の調子が悪い時にも使われています。では正確な意味での胃炎とはどういう疾患なのでしょう。

胃炎とは呼んで字の如く胃に炎症がある状態ですが、内視鏡的には粘膜に萎縮がなく表面が赤いだけの表層性胃炎と胃粘膜が萎縮している萎縮性胃炎に分かれます。
表層性胃炎はピロリ菌の関与がなく、表面だけの一時的な炎症で、症状が改善すれば忘れてしまってかまいません。それに対し萎縮性胃炎はいわゆる慢性胃炎の事で、ピロリ菌が関係しており、加齢とともに徐々に進行していきます。 日本人の半分以上はこの萎縮性胃炎であり、これだからと言って心配することはないのですが、萎縮性胃炎の方100人に3~4人が胃潰瘍になり、1,000人に4人くらいは胃がんが発生すると言われています。

ご自分の胃が慢性胃炎なのかどうか、ピロリ菌に感染しているのかどうかは一度調べておかれた方が良いでしょう。そして慢性胃炎と言われた方は、年1回は内視鏡検査を受けられる事をおすすめいたします。

内視鏡治療で治る胃がん

胃がんの死亡率は年々下がっていますが、まだまだ日本人に多いがんの一つで、身近の方で胃がんになって手術を受けたという方もおられるのではないでしょうか。

死亡率が下がっているのは、治る胃がんが増えているという事です。症状がないうちに内視鏡検査で発見された早期胃がんは、治療で99%以上治ります。特に小さいうちに発見されたがんは開腹手術を受けなくても、内視鏡を用いた治療(内視鏡的粘膜切除術)で治す事が可能です。

それではどのような胃がんが内視鏡で治せるのでしょうか。
胃がんには比較的たちの良いがんとたちの悪いがんがあります。普通のたちの良いがんで粘膜に限局していれば、盛り上がっているタイプであれば大きさに関わらず、また凹んでいるタイプであれば2cmまでなら内視鏡で治ります。もしたちの悪いタイプのがんであれば基本的には手術でリンパ節を含めて切除する必要があります。内視鏡で治療ができた場合は術後の食生活などへの影響がなく、術前と同様の生活をおくることができます。

胃がん克服の第一歩はなんといっても早期発見です。
症状がなくても、定期的な内視鏡検査をお勧めいたします。

ピロリ菌の話

「胃の病気の大半はピロリ菌が原因である」という事を新聞やTVで見られた事があるのではないでしょうか。でも本当はどんな悪さをしているのか意外に知らない人は多いと思います。

ピロリ菌は日本人の約半数の人の胃の中に住みついている細菌です。
65才以上の方の内、約80%の人が感染していますが、それ以下の人の感染率はどんどん減っています。これは65才以上の人の子供の頃は日本の衛生環境が悪く、多くの人に感染が広がったためと思われます。

日本人は慢性胃炎が多く、胃がんが多いと言われており、これは日本人の体質や食生活のためと考えられていましたが、実はピロリ菌の感染が原因だった事が分かってきました。
ピロリ菌に感染している人はほぼ100%に慢性胃炎を認め、そして約0.4%が胃がんになります。逆に言うとピロリ菌に感染していない方はまず胃がんにはならないと考えて良いでしょう。

胃の調子の悪い方、胃の病気が心配な方は自分の胃にピロリ菌がいるかどうか一度は調べておかれると良いでしょう。若いうちに退治しておくと胃がんのリスクを減らす事が可能です。次回はこのピロリ菌の退治方法についてお話をしたいと思います。

ピロリ菌を退治しよう

内視鏡検査を受けられて、ピロリ菌が陽性と言われた方は治療(除菌)するかどうかを決めなくてはいけません。しかし日本人の半数の方が陽性ですから、全ての方が除菌した方が良いと言う訳ではありません。

除菌対象の第一は胃潰瘍や十二指腸潰瘍の方で、過形成性ポリープという赤いポリープのある方も除菌で消える可能性があります。また慢性胃炎だけでも、若い方で胃の自覚症状のある方は除菌を考えるべきです。除菌する事により、胃炎の進行が止まり、胃がんになるリスクを減らす事ができると考えられます。高齢の方で慢性胃炎が出来上がっている方は、除菌により逆に胸焼けなどの症状が出現する可能性もありますので、専門医に相談された方が良いでしょう。

さて除菌治療の方法ですが、抗生物質2種類と胃酸の薬を1週間内服するだけで、下痢などの副作用に注意しなくてはいけませんが比較的簡単です。残念ながら10人に1人くらいはこの方法で不成功となる可能性があります。(潰瘍や潰瘍瘢痕がなく、慢性胃炎だけやポリープだけの方は保険が使えませんので、自費治療になります。消化器専門の医療機関に相談してください。)

大腸ポリープの話

大腸内視鏡が手軽に受けられる様になり、大腸ポリープの発見が増えています。本日は皆様にも身近な疾患である大腸ポリープの話をしたいと思います。

大腸ポリープは大きく分けると、腺腫と過形成性ポリープがあります。
過形成性ポリープは癌になる危険はなく、基本的には放置で大丈夫ですが、腺腫は癌になる危険があり治療の対象になります。これも5mm以下であれば数年で癌になる危険は極めて少なく、年1回の検査によるフォローで良いと思われます。しかし6mmより大きいと癌である、または数年で癌になる危険性が数%ありますので、内視鏡で切除された方が良いでしょう。内視鏡による切除はポリペクトミーといいますが、小さいポリープなら外来でも、大きいものでも数日の入院で簡単に治療することが可能です。早めに発見し、癌になる前に治療しておかれるのが良いでしょう。

大腸内視鏡検査は機器と技術が進歩し、苦痛なく受けられる病院が増えています。
大腸癌が心配な方、ご家族に大腸癌のおられる方、便秘気味の方などは積極的に大腸内視鏡検査を受けられるようにしてください。

胃ポリープの話

前回は大腸ポリープについてお話しましたので、今回は胃のポリープについてお話します。
胃のポリープは大腸のものほど癌にならないのですが、中には癌になるものも含まれるので要注意です。

胃ポリープは大きくわけて3種類あります。まずきれいな胃粘膜にできるちいさな白いポリープ、これは噴門腺ポリープといい、癌にはなりませんので、放っておいて大丈夫です。赤いポリープは過形成性ポリープといいますが、これも癌にはまずなりませんが、なかには大きくなって出血したりする事があります。このポリープはピロリ菌の関与が大きく、ピロリ菌の除菌で消える場合がありますので、目立つ場合は除菌治療も考慮してください。

もう一つは腺腫と言われるやや扁平なポリープですが、これは癌になるものもあり要注意です。小さなものは定期的な内視鏡検査でのフォローでかまいませんが、組織的に異型細胞の認めるものは切除された方が良いでしょう。治療は内視鏡的に粘膜をはぎ取る様に切除しますが、慣れた内視鏡医であれば比較的簡単に治療ができます。胃にポリープがあると言われた方は、どのポリープなのかを確かめておかれる様にしてください。

アニサキスにご用心

お刺身やお寿司など生の魚を食べた後に、急に胃が痛くなったときはアニサキス症が考えられます。アニサキスとは海の魚の体内にいる体長10~30mmくらいの寄生虫の幼虫で、これが胃の中に入ると胃粘膜に食いつき、強い痛みが起こります。サバ、イカが有名ですが、基本的にはどの魚にもいます。自分で釣ってさばいた魚は特に危ないのですが、スーパーのお刺身にもいる可能性はあり要注意です。

人間の体内で成虫になることはないので、放っておいても1週間くらいで死んでしまいますが、胃の中にいる間は胃痛の症状が続きます。また非常に稀ですが、小腸に移動し粘膜に食いつくと、原因不明の急性腹症となります。生魚を食べて数時間後に胃の痛みが出現した場合はすぐに医療機関を受診し内視鏡を受けてください。内視鏡で胃の中を探すと、胃粘膜に食いついた虫体が見つかります。見つかれば鉗子という処置具を用いて簡単に取ることが可能で、取っただけで劇的に痛みは改善します。

いくらおいしいお刺身でも、食べた後に激痛におそわれたのではたまったものではありません。食べる前によく見てアニサキスがいないかを十分確かめるようにしてください。

C型肝炎の話

人間にとって非常に重要な臓器である肝臓が徐々に弱る病気が慢性肝炎です。
慢性肝炎にはアルコール性や薬剤性など多くの原因がありますが、最も多くまた怖いのがウイルス性肝炎で、特にC型肝炎は自覚症状がないまま進行し慢性肝炎から肝硬変、そして肝臓癌の合併と悪い経過をたどる場合もあり要注意です。

日本人の感染者が150万人とも200万人とも言われており、自分がC型肝炎ウイルスに感染していることを知らない方も多くおられると思われます。
C型肝炎ウイルス陽性でも肝機能正常の場合もありますが、肝炎を起こしている場合はできる限り早く、肝硬変になる前に抗ウイルス薬であるインターフェロン治療を考えるべきです。現在はインターフェロンも新しい薬が使用できるようになり、さらには多剤との併用療法で治療効果も高くなってきています。

C型肝炎ウイルスの検査は採血によりその抗体を調べるだけですので、簡単に受けることができます。最近は健診にも一部組み込まれていますので、まだ調べられていない方はぜひ一度検査されることをおすすめいたします。

胸やけに悩んでいませんか

朝方や食後に胸やけのする方も多いのではないでしょうか。それは胃酸が胃から食道に逆流する病気、逆流性食道炎かもしれません。他にも酸っぱいのもが上がってくる感じや胸のつかえ感、喉のやけた感じなどの症状があります。西洋型の食事になり、肥満体型の方の増加とともに患者数も増えています。また腰の曲がった方、前屈みになる仕事の方などにも多く、消化器内科の外来では非常にポピュラーな疾患になっています。
内視鏡的には胃の入り口が開いており(食道裂孔ヘルニアといいます)、食道の下の方が赤くただれたりしています。食道に炎症の所見がなくても、食道裂孔ヘルニアがあり、逆流症状があれば胃食道逆流症という診断をつけるようにもなってきました。

逆流性食道炎と言われた方は油ものや甘いものは控え、消化の良い食事とし、体重を増やさないように気をつけてください。それでも症状のある場合は胃酸を押さえる薬が非常に良く効きますので、消化器内科に受診されて検査や治療に関して相談される事をおすすめいたします。

ピロリ菌と胃がんの深い関係

ピロリ菌の感染により慢性胃炎が進行し、その粘膜に胃がんが発生します。
ピロリ菌陽性者で胃がんになるのは1,000人に4人くらいで、特になりやすいと言うほどではありませんが、逆にもともと胃にピロリ菌がいない場合はほぼ100%胃がんにはならないと思われ、そういった点ではピロリ菌が胃がんに大きく関係していると言えるでしょう。

さてそれではピロリ菌を退治した場合は胃がんのリスクが減るのでしょうか。
多分高齢の方は慢性胃炎が進んでいる場合が多く、その時点で除菌してもリスクは変わらないかもしれません。しかし若いうち(50才以下くらい)、つまり慢性胃炎が進行する前に除菌をした場合は胃がんになるリスクが減る可能性があります。若いうちに一度はピロリ菌に感染しているかどうかを調べられ、陽性の場合は除菌治療することを考えられても良いのではないかと思います。

日本人も若い世代はピロリ菌感染者がどんどん減ってきています。
今は胃がんの死亡率はまだまだ高率ですが、ピロリ菌感染の減少とともに将来は胃がんも減少する事が予想され、いずれはまれな病気になると思われます。

消化器内科の今後

消化器内科とは胃、大腸をはじめ肝臓、胆のう、すい臓など、お腹の病気を診る内科です。 急性胃腸炎や胃潰瘍、肝炎などポピュラーな病気から、胃がん、大腸がん、肝臓がんなどの悪性疾患など幅広い疾患が含まれます。
昔は胃がんや肝臓がんを見つけても、治療は外科に依頼することが多かったのでしょうが、最近は胃がんでも小さなものは内視鏡で治療できるようになりましたし、肝臓がんもエコー下の焼灼治療が可能になり、消化器内科の仕事は増えています。

しかし逆に胃がん、肝臓がんは今後減少していくと思われます。
C型肝炎ウイルスの発見後、輸血での感染がほぼ無くなり、さらにインターフェロン治療により肝硬変、肝臓がんの発生が減少します。またピロリ菌が胃潰瘍や胃がんの原因であることがわかり、除菌治療により胃がんのリスクを減らす事ができるようになりました。若い世代はピロリ菌感染者が減少しており、除菌治療が広がればさらに将来の胃がんは減少するものと思われます。

病気の発症そのものを減らす事により、将来仕事が減っていくのが消化器内科医である私たちの夢でもあるのです。

経鼻内視鏡の話

従来の胃の内視鏡(いわゆる胃カメラ)は口から挿入して食道や胃を観察する検査ですが、経鼻内視鏡とはその字の通り鼻から内視鏡を挿入して観察する検査です。最近テレビの健康番組や新聞などで取り上げられたり、TVコマーシャルでも放映されたりしており、見かけられた方も少なくないと思います。経鼻で用いる内視鏡は、太さが先端約5mmと細く、操作性も以前のものと比較して格段に改善され、そのためここ数年で使用する医療機関が増えてきています。ここでは経鼻内視鏡の良い点、悪い点などをお話しいたします。

経鼻内視鏡の良い点

1. 楽に受けられる
鼻の中を通り真上からのどを通過するので、嘔吐反射が非常に少ないのが経鼻内視鏡の特徴です。嘔吐反射とは、舌の奥を押さえた時に起こる“おえっ”とする反射で、口から挿入する従来の内視鏡では少なからず起こります。これが内視鏡に抵抗を感じる原因の一つなのですが、経鼻内視鏡はその点では非常に楽に受ける事が可能なのです。
2. 安定剤を使わなくても大丈夫
口からの内視鏡は嘔吐反射があるため、人によっては苦しい検査です。そのため安定剤を注射して受けていただくことが多いのですが、その場合内視鏡検査後に時間くらい休んでいただく必要があります。その点経鼻内視鏡は嘔吐反射が少ないため、安定剤を使用しなくても大丈夫で、検査終了後すぐに説明を受けることができます。
3. 検査中会話ができる
鼻から挿入しているため、検査中でも会話ができます。自分の胃の中をモニターで見ながら説明を受けて、気になることは質問もできるのです。

経鼻内視鏡の良くない点

1. 視野が暗く、画像が悪い
口からの内視鏡に比べ細い分、光源がやや暗く遠くが見づらく、画像もやや劣ります。病気の見落としが多くなるほどではありませんが、よりじっくり観察する必要があります。
2. 鼻の中が狭い方は痛い事がある
人によっては鼻の中が狭く、また非常に敏感な場合があり、痛みを感じる事があります。両鼻を観察して広く入れやすい方で挿入するのですが、それでも入らない時もあり、その場合は口からの挿入に切り替えます。
3. 組織を取りにくい場所がある

胃にポリープや癌を疑う部分があった場合、鉗子という器具を使って、その表面の粘膜の一部を採取し検査をします。経鼻内視鏡の場合細いため、ごく一部ですが粘膜を取りにくい場所があります。そのため粘膜を取るのに時間がかかったり、どうしても取れない場合は口からに切り替える場合があります。

実は経口か経鼻かどちらを勧めるかは内視鏡医にとってはジレンマでもあるのです。本音を言いますと従来の経口の内視鏡の方が明るく見やすく、画像も良いので、安心して検査をする事ができます。しかし実際は圧倒的に経鼻内視鏡の方が楽に受けてもらえるので、より多くの方に楽に簡単に検査を受けてもらうためには経鼻内視鏡の方が良いだろうと思います。内視鏡医にとって多少やりづらい面もあるのですが、より慎重により丁寧に行う事によって解決出来る問題です。

いままでは胃の内視鏡は苦しい検査だというイメージがあり、敬遠されていた方も多いでしょう。しかし経鼻内視鏡なら誰でも楽に受けられる簡単な検査だという事が一般的になり、より多くの方が受けられるようになれば、今までよりも早期で発見される癌も多くなり(つまり治る段階の癌で見つかる事が増える)、またピロリ菌に感染している胃が見つかり、除菌を受けられる方が増えると思われます。それによって胃の病気で苦しめられる方が少なくなるでしょう。いままで検査を敬遠されていた方も、一度鼻から受けてみませんか。

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